群選択説への批判
古典的な群選択が成り立たない理由は次のように説明できる。利他的な(例えば餓えを避けるために繁殖を控える)個体で構成される集団に利他的でない(繁殖を控えない)個体が変異や移住によって誕生すると、その個体は他の利他的な個体より高い適応度を持つ。より多くの子を残し、利他的でない性質は遺伝によって集団中に広まる。個体の生死よりも集団の形成と絶滅は遅いために、利他的な集団は存続しない。種や群れのためと解された生物の行動はほぼ全て血縁選択と互恵的利他主義の理論によってより良く理解されることが分かっている。
互恵的利他集団(相互に利他行動を行い、利他行動を行わない裏切り者は罰によって排除する集団)は一見、群選択の実例に見える。しかしこのような集団でも自分自身の利益を損ねて他者に奉仕する自己犠牲的な行為は進化しない。
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種の保存論法はしばしば至近要因と究極要因の混同を伴う。至近要因とは動物の行動の動機となる心理/生理的メカニズムであり、究極要因とはその心理/生理的メカニズムを形作った進化上の原因のことである。
混同の典型例は交尾(性交)である。性交は性欲や子供を持ちたいという至近要因によって引き起こされる。その結果、繁殖(個体の存続)が起きる。性欲を持たない個体は繁殖せず、そのような性質は広まらない。これがなぜ性欲が存在するのかという究極要因である。